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辻井伸行のコンサートを聴いて


11月16日(金)の夜、コンサートに行ってきました。


ずっと聴きたかった辻井伸行と指揮者ウラディーミル・アシュケナージとアイスランド交響楽団との共演。


世界的指揮者のアシュケナージ氏と、彼から薫陶を受けている辻井氏と、選りすぐりの演奏家たちとの共演の機会に、ドキドキの思いで向かいました。



辻井氏の表情がわかる席で聴いた彼の生演奏。 静謐さの中にある繊細で清らかな音と、強く激しい音に圧倒された時間。 自分をあきらめない音、自分を信じる音に、涙が止めどなく溢れ、魂を揺さぶられた時間でした。


辻井氏のこれまでの足跡を辿り、実際その音を聴いて感じたことは、彼は「天才」なんかではないということ。


彼には自分を信じる力があった。 そして、彼の努力が彼をつくった。差し伸べてくれた人の手をどう握るのかも、その人次第。そんなことを痛切に感じながら、「自分の人生は自分しか切り開けない」ことをあらためて思い知らされました。


演奏曲のひとつ 「ラフマニノフ 交響曲 第2番 ホ短調 作品27」は、徹しで60分という長さ。小柄な体からは想像もつかないエネルギッシュなアシュケナージの指揮と、アイスランド交響楽団の演奏は本当に素晴らしかったです。



なかなかない心震える感動。

感動という言葉はあまりにも陳腐で、辻井氏のピアノを語るに適した言葉は見つかりませんが。


この貴重な素晴らしい機会、すべてに心から感謝しています。お誘いくださりありがとうございました。



永森咲希

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