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港区の助成事業「夫婦の困難 どう乗り越える? 第1回 不妊治療の終結を共に考える ~医療者の立場から・当事者の立場から~」


去る6月18日、港区立男女平等参画センター”リーブラ”の助成事業でもあるMoLiveの企画、

「夫婦の困難 どう乗り越える? 第1回 不妊治療の終結を共に考える ~医療者の立場から・当事者の立場から~」(1部:講演 2部:お話し会) が無事終了しました。



「不妊治療を終わりにしたいけれど、なかなかやめられない」

「ふんぎりがつかない」

「やめてどうしたらいいのか」


みなさんそれぞれが、迷いや戸惑い、不安をお持ちになりながら参加なさいました。



参加者は、女性21名、男性9名、合計30名。半分には満たないまでも男性の参加も多く、なかには男性おひとりでの参加もあり、ご夫婦それぞれが、治療を終わりにすることと真摯に向き合われていらっしゃる様子が伝わってきました。


1部の講演の演者は、東京慈恵会医科大学産婦人科医師の杉本公平先生と、私、永森咲希でした。




杉本先生のご講演は、優しいお人柄が滲み出るプロフィールにはじまり、歴史的視点や人物から考える不妊のお話し、そして先生の患者さんの終結の事例と多岐に亘り、どのお話も、「妊娠できることと人間性はなんの関係もない」という先生の一貫した主張とつながっていました。



特に患者さんの事例のお話しは、単に事例を紹介くださるのではなく、杉本先生がどんな思いを持たれながら対応されたのかについてをお聞かせくださいました。不妊治療を終わりにすることも大事に考えてくださっているドクターだということが十分みなさんに伝わり、そんなドクターの存在はみなさんを安心させたようでもありました。


続いての永森の講演は、私自身の体験について。治療中の思い、あきらめるということ、その過程、あきらめた時...等々、私自身が、また夫が、家族がその時どんな風だったのか、お話させていただきました。



講演のアンケートでは、


「話を聴いて緊張していた肩の力が抜けました。気持ちが楽になりました」

「共感でき『これでいいよね』と思える勇気をもらったような気がします」

「治療終結後も明るく生きていくヒントを得られました」


といった感想をいただきました。


お話し会(当事者7名+ファシリテーター+コファシリテータで9名ほどのグループを3つ)では、みなさんそれぞれが思うところをお話しされたり、他の方のお話を聞いたりしながら、あらためてご自身のことを考える時間になさったようです。


お話し会のアンケートでは、


「似たような状況の方々の話が聞けて、自分だけではないと気持ちが軽くなりました」

「誰かに話すことは乗り越えるために必要なプロセスだと感じました」

「ひとりだけで心が沈みがちだったけれど、参加してよかったです。初対面だからこそ話せることもあるんですね」


など、多くの方々に参加の意義を感じていただけたようです。



当日はNHKの取材を受け、総合とBSで放映されました。









妊娠を望む年齢が高齢化している現代、妊娠に辿り着けない方も多くいらっしゃいます。 なかなか治療をやめられない方もたくさんおられます。


願い叶わぬ当事者の方々が不毛地帯に長期間留まることなく、ご自身の運命を受け入れ、新たな人生を再構築するエネルギーをもって自らの第1歩を踏み出していただくことを切に願いながら本企画を立てました。


今回の参加者の方々の感想をお聞きし、本企画を継続していく意義をあらためて感じた次第です。


参加くださったみなさま、本企画にご協力くださった関係者のみなさま、ありがとうございました。


永森咲希


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